車がなくても


俺のわがままな呼び出しに

そいつは自転車でやって來た

ほんとに急いで來たんだろう

額に薄っすらと汗を浮かべて

“なんで自転車なんぢゃ”

なんでそんな眞面目なんぢゃ

なんで俺のわがままを何でも聞いちゃうんぢゃ

“此の暑いのにふたり乘りかよ”

一応文句を云ってみる

大の男がふたり乘りなんて

こっちにだっていろいろ都合があるんぢゃ

ココロの準備とか

オトコノジジョウとかっ

そう云う氣配りは出來んのぢゃったこいつは・・・

全く嬉しそうな顏しやがって

いやとは云えんぢゃろが

そんな顏されたら

しょうがねぇから乘ってやるよ

“出すぞ、しっかり掴まってろ”

すぐ其處に秀吾の背中がある

其の背中に躰をあずける

俺より高い秀吾の体温が傳わってくる

いま俺すごいにやけた顏してるかな 見えないのをいいことに

腰に廻した手に力を込める

“うち來るぢゃろ”

お ちょっとは氣が利くようになったのね 秀吾ちゃん

でも 離れてる間に

俺がどれだけ逢いたかったか知らないでしょ

毎日お前のことばっかりぢゃ

いやんなるくらい

しゅわしゅわしゅわしゅわ

タンサンスイがはじけるのに似てる

しゅわしゅわしゅわしゅわ

ソォダの背中

秀吾の匂い

“なんぢゃそりゃ”

のどの奥がジンとするんぢゃ

お前がなんにも云わないから

胸のどきどきが傳わっちゃうのが

俺ばっかり好きみたいのが

くやしい

だからからかってみたくなる

“なっ!!・・・した事ないぢゃろがっ!!”

うんうん ないねぇ

眞面目に受けて

本氣で焦って

“俺は此のままでええんぢゃ、車がなくてもっ”

離れてる間に少し遠くなってしまった

そう思っていたのに

ほんとに何も變わっとらん

相變わらずバカ正直で お人好しで まっすぐだ

まったく秀吾らしい

でも其處がいい

なんて

死んでも云ってやらんのぢゃ



20040808

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

“車があれば”のおミズサイドが書きたいなぁ と

でも餘計だったかも・・・・

好きだけど素直になれない

そんなとこが好きです

おミズの方が好き度が高そうです

でもお互い自分の方が惚れてると思ってる

そんなズレが出てるといいなぁ

しかし

思い付きだけで書いてると大變だと

やっと氣が付きました