+ 麦撃機の飛ぶ空 +    神林長平

装丁がかわいくて購ってしまった SF短編集

貴重な麦を燃料にした 爆撃機を飛ばして戰争をする世界
脳が爆発して死なない爲に 殺し合う世界
近付いて來る太陽に焼かれて 滅び行く世界
永遠に殺人犯を追い續けるロボット刑事の話
夢の樂園を父親が子供に語って聞かせる話

ちょっと 星 新一みたいと思っていたら
そんな話を集めたのだとか

高度な文明の後にやって來る 星の荒廃
環境破壊や核戦争によって生物が住めない星になり
他の星へ移住して行く
昔の竹宮恵子や萩尾望都
手塚治虫が描いた世界です
最近はそう云ったSFをかく人がいなくて淋しいです
聖 悠紀や佐々木淳子くらい?
今は「プラネテス」のように
宇宙に行くけど
でも未だに卓袱台でトンカツ食べちゃうような
リアルなものが多い樣です

短編だと
え、そんなとこで終っちゃうの?
てとこで終ってしまい
そして大抵 ハッピィエンドでもなく
讀後感がすっきりしませんね
後までずっと
あんな事しなけりゃよかったと
後悔します

神林長平は“戦闘妖精・雪風”が好きで讀んだのですが
“雪風”が全編ストイックなのに対し
“麦撃”は食欲・性欲が前面に描かれています

“雪風”の主人公・深井少尉が
他人とのコミュニケェションが下手で
信頼してるのは愛機・雪風だけ(でもブッカー少佐は親友(笑))
と云う人間的感情が欠落したキャラなので
食欲・性欲と云う人間の二大欲求によって動いているのは
とても人間らしいと云う事なんでしょうか
原始的だけど

とは云え
カニバリズムはちょっと・・・
極限状態で 何としてでも生き抜いてやろうと云うのは判りますが
また喰うんかい!

なので 後半はちょっと辛かったです
もし自分がそんな世界にいたら
生きようとするだろうか
諦めてしまうだろうか・・・

環境破壊は
今の自分にも関係がある事なので
未來の人達から責められている
そんな氣持ちになってしまいます



*お薦め本*
戦闘妖精・雪風<改>
グッドラック 戦闘妖精・雪風
+
ハヤカワ文庫JA


20040714〜0723