+ 夏至祭り +   長野まゆみ

祖父の時計が止まった日 月彦は
林の空き家に越してきた
不思議な少年たち
銀色と黒蜜糖と出逢い・・・

タイトルに合わせて 此の時季に讀む
と云うのを 2年くらいやっていたのですが
何年かぶりに
また讀んでみました

此のお話は
「野ばら」の初期形なのですが
登場人物は同じでも
話の内容も
キャラの性格や関係も
まったく別の話になっています
其れは 高村 薫の
「我が手に拳銃を」 と 「李歐」ほどに(笑)

「野ばら」では 3人は友達ではなく
月彦は 銀色と黒蜜糖によって
合わせ鏡の中に閉じ込められる樣に
繰り返される夢の中から
抜け出せなくなってゆきます

月彦が見る
柘榴を吐き出す夢の部分を讀んでいると
喉が詰まってくるのです
喉が渇いている時に見る
夢の中の水が
プラスティックの味がする樣な
そんな 嫌な感じです

なので私は
3人が仲良くしている
「夏至祭」の方が好きです

長野作品の魅力のひとつに
美味しそうな食べ物があります

「にじますの白バター添え」
「檸檬水」
「疼取の含め煮」
「黒麪麭とたっぷりの蜂蜜」
「レモネエド」
「鶯神楽の果  山葡萄  楊桃」
「楊桃の果実酒」
「白身魚のバター蒸し」

文字を見ているだけで
美味そうです

甘党の黒蜜糖は
黒麪麭にも
紅茶にもレモネエドにも
たっぷり蜂蜜を入れます
そして 満足そうに微笑みます

入れすぎだよ黒蜜糖

甘いもの好きな私も
さすがに 其れはちょっと付いてゆけませんでした

お祭りの わくわく感と
終ってしまった時の
何とも云えない淋しさを
愉しんでください


20040623〜0625